Solo exhibition"GOLDEN BOX"




《み(る/ られる)ための箱》2019 
木材、金箔、キャスター、スクリーン

 この金色の箱は、カメラ・オブスキュラである。6面体の箱には正面にだけ小さな穴が空い ていて、穴から入った光が、箱内部のスクリーンに外界の像を投影する。 この箱は、9 月に秋田県の上小阿仁村で行われた展覧会に参加したことによって生み出された。山中suplex の所在地である滋賀から展覧会会場の秋田まで、金色になる以前の箱と共に旅をしながら山中suplex と、上小阿仁村に まつわるいくつかの逸話を尋ねるために神社や祠、史跡などを巡って記念撮影をした。箱に空いた小さな穴から入った光 は、箱の中でひたすらに旅の様子と、たまに私が行う記念撮影の光景を映し出していた“はずである”。 “はずである” と、書いたのはその箱がすでに閉じられて、外部からはスクリーンに映し出された像を誰も確認がすることが できないからである。僕は、この箱の中に投影される景色を想像し、またその箱が持つ視線を意識しがなら自分もこの箱 を撮影した。 




《箱と旅行した記録(ポジ)》2019
リバーサルフィルム(ポジフィルム),サーマルブランケット
 
 ここにあるフィルムは、箱をフィルムカメラで撮影した時のものである。 よく見ると、フィルムの中には金色になる以前の白い箱=《み(る/ られる)ための箱》が存在している。これを撮影した時は、箱の穴に対して、正面に向かい合うように対峙して撮影を行った。このフィルムの視線は、僕の視線であると同時に、僕が撮影している姿を箱が見ていた証明にもなっている。リバーサルフィルム(ポジフィルム)とよばれるこのフィルムは、プロジェクションすることで、その景色を光として再び投影する。 




《彼、もしくは彼女がどのような景色を望むのかを知るための装置》2019
木材、金箔、キャスター、スクリーン 

私たちは誰もが《み(る/ られる)ための箱》の中に写し出された景色を、望むことができない。私たちは、この箱の中 に写し出されている景色を想像することしかできない。それは” 私以外の誰か” の視座もまたそうである。 この箱に開けられた二つの穴は人間の二つの目のために存在する。私は、二つの目を持って景色を望む時、少しだけず れた二つの視線が愛おしく感じる。頭のどこかで統合されて見える一つの景色が、実際は、二つの目が見ている違う景色 が補いっていること。人が目を二つ使ってを物事を見ことは、そもそもが他者を同居させているようにさえも思う。この 小さな箱は(もしくは私たちの持つ目そのものが)、私以外の視座を想像するための装置である。


《GOLDEN BOX》 2019 
installation 
at Finch arts,Kyoto,Japan

展覧会タイトルであるGOLDEN BOX(=黄金の箱)とは、直接的に見れば黒い展示台上の箱と、蛍光灯の向こう 側にある箱とを指す。秋田県の上小阿仁村にて設置されたインスタレーション作品から展開している。会場のガラス面に貼られたシートは秋田のそれと同一であり、シートはマジックミラーのように、 暗い場所から明るい場所を見ることができるが、明るい場所から暗い場所は、光が反射して見えなくなる。この金色(裏面は銀色)のシートはサーマルブランケットと呼ばれ、保温性、熱遮断性に優れることから防災グッズ、また人工衛星 の外壁部などで使われているものである。 秋田で展示された作品は、外から見たら金色の箱であるが、中に入ると、外界が透けてて見える作品であった。 本展覧会《GOLDEN BOX》は、見る/ 見られるといった関係性のコミュニケーションについてを作品化したものである。